介護予防教室に人が集まらない!参加者の固定化を解消する5つの方法

低栄養予防に関するブログ|自治体

介護予防教室に人が集まらないとき、チラシを増やす前に見直せることがあります。来ていない人の事情、案内を届ける場所、初参加の不安、参加後のフォローを分けて考え、地域の接点を生かした5つの方法を整理します。

参加者の固定化は、広報だけの問題とは限らない

広報紙に載せても申し込みが増えない。毎回同じ顔ぶれになり、まだ参加していない人に届かない。介護予防教室や通いの場を担当する方にとって、開催回数を増やすだけでは解決しにくい課題です。

まず分けたいのは「知らない」「内容に関心がない」「行きたいが行けない」「初めての場に入りづらい」という状況です。すでに参加している人の感想だけでは、来ていない人の障壁は見えません。地域包括支援センターや日常の相談窓口などから、本人がどう感じているかを確認するところから始めます。

愛知県が公開する通いの場の報告では、参加者の固定化や、孤立している高齢者にとっての参加の敷居が課題として扱われています。自治体の担当者個人の工夫に任せるのではなく、参加しやすい入口を地域で設計する視点が必要です。

① 声を聞く
② 日常で届ける
③ 関心に合わせる
④ 不安を減らす
⑤ 次につなぐ
図:募集だけでなく、参加前後の体験も一緒に見直します。

方法1|来ていない人の声を、小さく聞く

対象地区、参加者の居住範囲、初参加者数、参加を知った経路を整理します。集計できる範囲で年代や生活圏も確認し、「地域のどこに届いていないか」を見つけましょう。少人数の活動では、個人が特定される集計を外部に出さない配慮が必要です。

聞き取りでは「なぜ参加しないのですか」よりも、「どんな内容なら見てみたいですか」「行くとしたら何が気になりますか」と尋ねる方が、答えてもらいやすくなります。時間、移動、費用、人間関係、体力への不安などを分けて記録します。

短い聞き取りを数件から始めるのは、改善案を探すための方法です。その結果だけで地区全体の意向だと判断せず、参加していない人にも異なる事情があることを前提に検討します。

方法2|薬局・JA・地域の店舗から、案内を届ける

広報紙や公共施設の掲示に加え、薬局、JAの支店・組合員活動、商店、配食など、本人が普段接している場所に案内への協力を相談します。厚生労働省の通いの場に関する資料でも、暮らしや地域資源を把握することが検討の視点に挙げられています。

協力先にはチラシだけでなく、開催日時、会場、参加条件、申込先、初参加時の流れ、問い合わせ先を一枚にまとめて渡します。「健康づくりの催しがあります。見学だけでも相談できます」といった声かけを、実際の受け入れ条件に合わせて共有します。

薬局の来局者名簿や配食利用者の情報を、そのまま募集名簿に使う運用は避けます。まず本人へ案内を渡し、申し込みは本人が行う形を基本に、紹介が必要な場合は本人の意向と情報の取り扱いを確認します。協力店の紹介は、商品購入や特定の薬局利用を参加条件にしない設計が大切です。

方法3|テーマを、暮らしの関心から組み立てる

「介護予防」「フレイル」という言葉に関心が向かない人にも、歩いて買い物へ行きたい、料理を楽しみたい、人と話したいといった希望があります。正式な事業名は保ちつつ、案内の見出しは、参加者が想像できる内容に具体化します。

たとえば「毎日の食事を一緒に振り返る」「無理なく歩くための体の使い方を知る」「地域の食材を話題に交流する」などです。講義を聞くだけでなく、本人が話したり選んだりする時間も設けます。内容や名称を変えれば集まると決めつけず、どの入口に反応があったかを確認します。

食事の話題から栄養チェックにつなげる場合は、目的と任意参加であることを説明します。チェックは診断ではなく、気になる変化を専門職へ相談するきっかけです。体重や食事量の変化を皆の前で発表させるような進め方はせず、必要な相談は個別に対応します。

方法4|初参加の不安と、移動・申込の負担を減らす

関心があっても、会場に階段がある、バスの時間と合わない、申込方法が分からない、知り合いがいないなどの理由で参加をためらうことがあります。会場までの道順、入口、トイレ、椅子、休憩、持ち物、所要時間を、案内時点で分かるようにしましょう。

見学、短時間の体験、知人との参加、電話での申し込みなどは、運営できる範囲で取り入れます。当日の受付担当を決め、初めての人に説明する時間を確保します。常連の参加者に協力してもらう場合も、案内役の負担が偏らないようにします。

移動の難しさがある人には、既存の交通支援や近隣会場の有無を確認します。参加できない人をそのままにせず、本人の希望に応じて地域包括支援センターなどへ相談できる道を残します。体調や生活上の課題がある場合は、教室への参加を一律に勧めず、必要な個別支援を検討します。

方法5|一度の来場から、次につながる連絡を用意する

初参加者が来ても、帰り際に次回の案内がなければ、その場限りで終わることがあります。終了時に次の予定を伝え、「次も来たいか」「参加しづらかった点は何か」を短く確認します。欠席を責めたり、継続を義務のように伝えたりしないことも大切です。

次回案内を希望する人には、連絡手段と連絡してよい範囲を確認します。紙の予定表を渡す方法でも構いません。参加しなくなった人への連絡も、事前の合意と運営方針に沿って行い、事情を詮索せず相談先を案内します。

健康上の気がかりが分かった場合は、教室の運営担当だけで抱え込まず、保健師、管理栄養士、地域包括支援センター、薬局、医療機関などへ、役割と本人の意向を確認してつなぎます。参加の継続と、必要な支援につながることは、分けて考えましょう。

参加人数に加えて、入口と継続の状況を確かめる

延べ参加人数だけでは、同じ人が何度来たのか、新しい人に届いたのかが分かりません。実人数と延べ人数を区別し、初参加者数、案内を知った経路、再参加の状況を、現場で無理なく記録できる範囲で確認します。

参加人数の増加は、健康状態の改善や介護費削減をそのまま示すものではありません。健康や生活機能への影響を評価する場合は、専門職と指標・期間・比較方法を別途設計します。まずは、どの案内や受け入れ方が次の参加につながったのかを振り返り、翌回の運営へ戻すことが実務的です。

運営改善のために記録したい指標の例
指標確認すること集計上の注意
初参加者数新しい人へ届いたか実人数で数える
案内の経路どの接点が役立ったか本人が答えやすい聞き方にする
再参加の状況初参加後につながったか追跡期間と対象者をそろえる
参加しづらかった理由改善できる障壁は何か回答しない選択も尊重する
相談先への接続希望した支援に届いたか同意・共有範囲を確認し必要最小限にする

まずは、一つの地区・一つの協力先で試す

最初から多くの協力先を集めると、調整だけで担当者の時間が埋まることがあります。既存の教室を一つ選び、未参加者への短い聞き取り、協力先からの案内、初参加時の受付改善を組み合わせて試します。対象地区、役割、実施回数、必要経費、振り返りの時期を先に決めておきましょう。

次の確認事項を共有しておくと、開催後に何を直すか話し合いやすくなります。以下は運営を検討するための例であり、制度上の一律の要件ではありません。

教室の外にも、健康づくりの入口を残す

教室に来られる人を増やす工夫とともに、来られない人が普段の暮らしの中で相談できる接点も必要です。薬局での栄養相談や地域の食事支援などを、教室と別々に動かすのではなく、本人の希望に応じてつながる形にすると、開催日以外の支援も考えやすくなります。

栄養ケアプランニングでは、自治体の既存事業や地域資源を整理し、薬局・医療・介護・配食・JAなどの役割分担、運営体制、広報、評価の設計を支援しています。栄養チェックを入口にする場合も、実施して終わりにせず、必要な相談先や継続フォローをどう用意するかまで、地域の条件に合わせて検討します。

「今の教室を生かして参加の入口を増やしたい」「薬局やJAに、何を頼めばよいか整理したい」といった段階からご相談いただけます。新しい事業を一から増やす前に、すでにある活動と日常の接点をつなぐところから、一緒に考えます。

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参考資料

資料確認日:2026年11月6日。本記事の5つの方法や記録例は、公開資料を参考にした運営改善の提案です。個別事業の成果を保証するものではありません。

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